荒れる信
信は、漂が死んだ悔しさで、
家の中で暴れた。
絶対漂の敵を討ってやる
と叫んで暴れた。
そこに、一人の子供が現れ、
漂の死を無駄にするな！
と叫んで信の顔を殴った。
そして涙を流しながら、
漂の死を無駄にしないために
信はここに行かないといけない！
と漂が信に渡した地図を見せながら
訴えたのだ。
信はその言葉で漂から託された
ことを思い出した。
つまり、
黒卑村というところに
行ってくれと漂から
頼まれたことを思い出したのだ。
しかし、里典によると、
黒卑村とは無法者達の村で、
普通の人間が行っても
生きては帰れないだろう
というくらい危ないところらしい。
もちろん里典は信を止めた。
しかし信は漂が行けと言った。
だから行くだけだ！と言って
黒卑村に急いだ。
黒卑村での信
信が黒卑村にたどり着いてみると、
無法者達が待ち伏せしていた。
無法者達は、信の背の剣に気づくと、
その剣を奪おうとした。
信は速攻で
無法者達を木剣で打ち倒した。
打ち倒された無法者は、
仲間に村の人達を起こして呼び集め、
信を狙わせるように命じた。
信が黒卑村に向かった後、追手が来た
信が黒卑村に向かった後、
里典は、
漂の死体の前でぼーっと立っていた。
気づいたら、隣に大きな男が立っていた。
いかにも強そうな、異様な出で立ちの男だ。
里典とその妻は驚いて大声を出した。
その大男にちょっと睨まれるだけで、
皆震え上がってしまうほど不気味なのだ。
その大男は漂の死体を持ち上げ、
漂の首を切ろうとした。
しかしその寸前で、里典の子供が
やめろ！と叫んで阻止した。
大男は、漂の剣がないことに気づき、
何か隠していると決めつけ、
里典の子供に近づき、
いきなり左の太ももに剣を突き刺した。
そして子供の首を押さえつけ、
早く言え、次は心臓を刺すと脅した。
黒卑村での村人達と信との戦い
一方、黒卑村では、
呼び集められた村人達と信との
戦いが始まっていた。
無法者達に呼び集められた村人達が、
信を狙う形の戦いだ。
しかし、
信は漂と１０００回以上
激しい仕合いを行い
剣の腕前を鍛え上げてきたのだ。
村人達とは腕前が全く違う。
多勢に無勢とはいえ、
信の方が圧倒的に有利だった。
結局信は村人達を圧倒した。
信がたどり着いた目的地
信は、村人達と戦いながらも、
なんとか地図に書いてある目的地に
たどり着いた。
そこはほったて小屋だった。
信はほったて小屋にガッカリして
漂に対して恨みがましいことをつぶやきながら
ほったて小屋に入った。
すると、なんと、
そこにはあの死んだはずの漂が座っているのだ。
紛れもなく、左側に剣を置いて、
あの漂その人が、鋭い目で信を正視している。
信は腰を抜かしそうになりながら、漂と叫んだ。
座って信を正視している漂らしき男は無言だ。
